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ここまで実感が湧かない旅の始まりは初めてかもしれない。#0

by 佐田真人|Masato Sata

10月18日木曜日、今日は新卒入社して3年半勤めた会社の退職日。そしてなんといっても、今日から世界一周の旅に出る。ここまで実感が湧かない旅の始まりは初めてかもしれない。

奈良に帰ってきて二週間、ずっと旅に出るのが億劫だった。毎回旅に出るときは決まって億劫になる。いつかの修学旅行のように、明日が楽しみすぎて寝られないなんてことはもうない。

今回の世界一周も例外ではなかった。

小学生のとき、初めてオーストラリアの人と会話したときのこと。高校生のとき、ふと立ち寄った本屋さんで旅の本や雑誌を読んでいたときのこと。大学生になって初めて、バックパックを担いでタイのカオサンロードに行ったときのこと。

たしかにあの頃から漠然と「世界一周の旅に出たい」と思っていた。もちろん今もその気持ちは変わらないのだけれど、どちらかというと「行かねばならない!」という使命感に似た感覚の方が強い。

自分を客観的に見て、面倒なやつだと思う。でもひとつ確かなことは、この旅を終えないと、次には進めないということだった。




空港までの道のりは、妙な不安に駆られていた。このセンチメンタルな感情は、どこから来るんだろう?たぶん、自分の人生のひとつの章が終わり、新たな章が始まるからかもしれない。

いつだってなにかを始めるときは怖い(仕事中にもよく"怖い"と言っていたけれど、その怖いをちゃんと言語化すれば前もって対処できる、と言われたことを思い出した)。

「この不安を引きずりながら、旅に出てしまうのだろうか...。」

そんなことを考えていると、窓の外から空港が見えた。空港が見えた瞬間、不思議と笑みがこぼれた。

「...そうか、これでよかったんだ」

募った不安がワクワクへと昇華された瞬間だった。全然いらない心配だったのかもしれない。




フライト前、天気はあいにくの雨だった。窓の外から見える明かりが地面に反射して、外は一層輝いて見えた。雨の日のフライトも悪くない(よく雨男だって言われてたっけ...)。

飛行機のエンジン音が豪快に鳴り響く。「いよいよ始まるんだ、世界一周の旅が」。機内の明かりが消え、エンジン音とともに、徐々に速度が上がっていく。

心の中でいろんな人に「ありがとう」と言いながら、心の中で「オラー!!行くぞー!!よっしゃー!!フー!!!」と叫んだ。

どんな旅になるだろう?どんな旅にしようか?最初の行き先はタイ・チェンマイ。旅先のことは着いたら、ゆっくり考えよう。

楽しい話、おもろい話、たくさん持って帰ってきます。そしてまた日本に戻ってきたとき、ゆっくりとお話しさせてください。




p.s. 日本を発つ前に最後に食べたご飯は、関空で両親と食べた「お寿司」でした。ごちそうさまでした。気をつけていってきます。


佐田真人|Masato Sata
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